2017年11月29日
気になる事。
最近本屋さんで気になる事がある。
文庫本の表紙に、アニメイラストが使われているものが非常に多い。
少し前からその傾向はあったようだが、ここ最近は更にその数が増している気がする。
平積みされている新刊コーナーを見ると、一瞬マンガコーナーかと勘違いしてしまう。
よくよく見てみると、新版の小説から古典文学の再版からハウツーものまでジャンルは様々。
活字離れが加速する若者層を呼び戻すための仕掛けなのか、表紙デザインの流行りなのか?
音楽の世界では、CDを買うときに「ジャケ買い」という言葉が良く使われるが、
本を買うときに「表紙買い」とは言わない。しかしながら本を買う時も、CDの
「ジャケ買い」と同様タイトル名は勿論、使われている書体や色、更にはそれら
全てを含めた表紙全体のデザインから、作品のイメージを掴み取って最終的に
買うかどうかの判断材料にしている人は多いのではないかと思う。
ところがこのアニメイラスト調の表紙は、どんな作品であっても全てを一色に塗り潰して
しまう独特の世界観がある。到底、表紙からその作品のイメージを嗅ぎ取る事はできない。
最近戦国武将がブームになった背景にも、戦国武将を今までのイメージとは
全く違う、まるで少女漫画から出てきたようなアニメキャラクターに仕立てた事が
若者層の心に火をつけたところが大きい。
文庫本の表紙も、何やらこの辺りの事情がかなり影響している感がある。
世の中の何もかもが、流行り物に占領されていく事に不満と不安を感じるのは、
私がおじさんだからでは無いと強く信じたい。