2019年05月15日

美しさと厳しさと達成感と

記念すべく令和1発目の山登りで、数年前から登りたいと思っていたルートから北アルプスの白馬岳に登ってきました。

小春日和の中、登山口からしばらく歩くと今回登る山の取り付きに到着します。

まずは、そこからえっちらほっちら主稜線まで登りあげます。

到着した主稜線の末端からは山頂まで続く雪をまとった美しい稜線が見渡せ、テンションが上がりまくります。この時期ならではの青い空と白い雪そして黒々とした岩のコントラストが鮮やかな大迫力の景色にワクワクしながらも、白馬大雪渓が眼下に見える両端が切れ落ちたナイフリッジから落ちないようにドキドキしながら頂を目指します。

 
 

 

夕方、その稜線の上で1泊。雪で風防をつくり、その中にテントを設営します。ぬくぬくのシュラフに入り、近くで雷鳥の鳴き声を聞きながらお酒を飲む至福の一番を過ごしました。

翌早朝から出発し、核心部である最大傾斜60°と言われる山頂直下の雪壁の前に立ち、見上げると圧倒的なスケールです。

。。。これを登るのか。

ピッケルやアイゼンが雪面に確実に効いているか確かめながら一手一手一歩一歩慎重に登っていきます。気がつくと、クライマーズハイだったのか必死のパッチだったのかあっけなく山頂付近まで来ていました。

安堵感からか思わず下を覗き込んでしまい、谷底まで斜面が続いているのが見えて、見なかったら良かったと激しく後悔。最後の雪庇がほぼ垂直に立っており、空中に身を放り投げる勢いで登り上げました。目の前にはもう何もありません。思わず雄叫びをあげてしまいました。

苦労して登っただけに、もっとじっくりと感慨にふけりたかったのですが、山頂稜線はそれを許さぬ突風が吹き荒み、ピッケル、アイゼンを効かせないと吹き飛ばされそうだったのでとっとと山小屋へ避難しました。小屋を出た後、もう下るだけと油断があったのか、風の通り道を何気なく横切ってしまい、その折りに突風に体が突き飛ばされたと同時にぐるりと一回転し転倒。〝滑落〟の2文字が頭をよぎりマジでヒヤっとしました。

とりあえず無事に下山し、今までで一番美味しい祝杯をあげました。

そんな美しさと厳しさと達成感があったGWでした。

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